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第38回 日象展
国立新美術館
2011年12月7日(水)~12月19日(月)

主な授賞作品 講評・受賞者言葉 受賞者一覧 推挙者一覧

  美術評論家  清 水 康 友
 平成23年は東日本大震災による大津波・原発事故と日本にとって実に多難な年であった。
 そのような状況下で第38回日象展の無事の開催は慶ばしい事であった。出品作には大災害への恐怖、鎮魂、また復興への希望を願うものも見られた。
 まず洋画では、明暗の対比と対角線構図により静物を細密描写した宮川 登が評価される。田村まさよしは縦を指向する画面に斜めに女性像を配した構図の妙が光る。子供の誕生への慈愛のまなざしに満ちる冨岡克枝、山の斜面に映える夕景をドラマチックに描く玉置光男、繊細な描写で月下に咲く花の妖しさを表現した佐藤勝代、凍てついた滝を白と青の寒色でまとめ上げた松尾章平が上位賞となった。
 他には柔軟な筆の動きの平瀬柳子、何気ない日常を捉えた清水尊子、広大な自然空間を表現した古川照和、構築性に幻想感の漂う永野綾子が印象に残る。日本画では収穫を終えたリンゴの大木を描き、その寂寥感を伝える赤石久男が最高賞を得た。雪の情景を記号化した形象で表わした柘植好子は新鮮。大胆な構成で人形を描いた小川節子、豊かな色遣いで敦煌の仏像に想を得た宮田博子も評価される。
 紙彩画では子供の表情と植物の質感を巧みに表現した福田小百合。雨後の紫陽花を情感豊かに描く近藤慶子、群れ飛ぶ小鳥の動きを捉えた中嶋明美、大胆な画面構成で魅せる篠原富代、洗練された造形センスの花木容子の仕事も光る。
 工芸では積層する曲線を巧みに造形化した陶芸の坂井和子を挙げる。確かな伝統技術の冴えを見せる能面の瀧澤良一、思い切った構成と装飾性で独特の世界を創出したガラスの貝塚恭子、意表をつく造形が魅力の阪口弘子、ガラス絵で南国の人々の生活を表現した三河一美、四季の情景を美しい色彩で捉えたガラスの上鶴政克、透明感のある色遣いで画面を際立たせた堀内則子、ポップな造形センスと豊かな色彩で若者の世界を展開した後藤美櫻が注目される。
  大賞受賞者の喜びの言葉
 日賞大賞 を受賞して  赤石 久男
  私は この度の受賞を大変光栄に思っております。
 現在、青森県の藤崎町に住んでいますが当地は青森リンゴの主力品種である『ふじ』の発祥の地としても知られております。
 作品は その『ふじ』の先祖とも言われている樹齢百三十年を超える日本一長寿の老木を描きました。
 季節は初冬、もう幾ばくもない老木であっても厳しい冬に向かってたくましく生きている姿を描きました。
 リンゴの木肌を出すために銀箔を使用しましたが、それが効果的に表現できたものと思っております。
 私はこれからも ふるさと津軽を画題として新たな日本画に 挑戦していきたいと思っております。

 工芸大賞『風砂』に・・・ 坂井 和子
 おかげさまでこの度、栄えある日象工芸大賞を戴いたこと、お礼申し上げます。
 越前焼きを始めとして日本の六大古窯はまさに世界遺産だと思っております。そんな風土の中 恵まれた環境に育った 幸せに感謝しなければなりません。
 永年土いじりを学んだ中で黒色・茶色・褐色など、ワビ・サビの世界に接し、そのすばらしさを実感しております。
 未熟な私ですが 今、造形(オブジェ)作品を制作中で少しでも新しい形と伝統の味をどうしてミックス出来るか試行錯誤、苦しんでいる最中です。
 道はまだまだ途中ですが一本の線を目指して進んで生きたいと思っております。
 皆様の益々のご指導をよろしくお願い申しあげます。

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